18年前の世界的ベストセラー(累計2400万部)「チーズはどこへ消えた?」は多くの方がお読みになったと思います(日本累計400万部)。私も何度も読み返しては「そうだよねー!」っとテンション、アゲアゲになります。最近、何年振りかに読んで、『これは定年退職前に読んだ方が良いね』と今回は記事にしてみました。※まだ読んでいない方にはネタばれになるかも…。
簡単なストーリーのおさらい
この物語は、昔ある遠い国に「スニッフ」と「スカリー」という2匹のネズミと「ヘム」と「ホー」というネズミと同じくらい小さい小人が住んでいた。彼らは迷路で食料にするためと幸せになるためにチーズを探しまわっていた。
ねずみコンビは動物的本能の嗅覚と記憶力でチーズの在りかを消去法で迷路を探しまわる。小人コンビは過去の経験から得た教訓と複雑な頭脳でより高度な方法でチーズを探していた。ある日チーズステーションCで好みのチーズをみつけた。しかし、そのチーズが消えてしまったのだ…。
物語の意味
チーズは私たちが人生で求めているもの…たとえば仕事、家族、財産、健康、精神的な安定…などの象徴と考えられる。チーズがいつもあるのものと考えていた…。忽然と消えてなくなるとどうなるか?読み手側のおかれている環境とダブらせて考えさせられる物語になっている。
ある人はヘムのように執着心があり立ち止まる人もいるでしょう。またスニッフ、スカリーのように過去の「チーズ」に見切りをつけて新しい「チーズ」を探しまくる人もいることでしょう。はたまたホーのように未知の世界に挑み、自己の恐怖心と向き合いながらチーズを探し廻る。新しいチーズを見つけた自分をイメージしながら探すという冒険に旅立つ人もいることでしょう。
3つの行動タイプ
いつも「あるもの」が無くなった・失ったときの行動は
- 途方にくれ失ったものに執着する
- 失った現実を受け止め前に進む
- 自信をもって「手に入れている」イメージで行動する
タイプと表現したが、行動の順序・変化だと捉えると理解がしやすい。
あるものを失ったとき「あーどうしよう!」と焦ることでしょう。その後、落ち着きを取り戻して「次にどうしようか」と考える。そして自分がしたいことやりたいことを見つけ行動に移す。といった過程・プロセスだ。
物語にでてくる格言
「チーズを手に入れれば幸せになれる」・・・これはチーズステーションCで自分たちのチーズを目の前にして壁に描いた格言である。しかしその裏には「チーズが無くなれば不幸である」が潜んでいるのを知らずにいる。「私は素敵な彼(彼女)がいるから幸せ」「私は不動産があるから幸せ」「美味しい物が食べられるから幸せ」もしそれを失ったら…。
「自分のチーズが大事であればあるほどそれにしがみつきたがる」・・・小人コンビの前からチーズが無くなったときの格言。分からなくもない。いつもあるものが無くなると失望するだろう。失ってからわかる大事さ。
「変わらなけらば破滅することになる」・・・ホーは事態が好転するのを待つだけなら飢え、体はやせ細り衰弱すると悟った。
「もし恐怖がなかったら何をするだろう?」と自問自答を繰り返し、ある答えを導き出した「恐怖を乗り越えれば楽な気持ちになる」新しい方向に踏み出したことで恐怖心から解放された。
美味しいチーズを手に入れたことを詳細にイメージすることで「きっと見つかる」と信じられた。「まだ新しいチーズがみつかっていなくてもそのチーズを楽しんでいる自分を想像すればそれが実現する」
まとめ要約
作者であるスペンサー・ジョンソンが読み手に伝えたかったことを要約してみる・・・の後は私の解釈です。
変化は起きる・・・加齢による身体能力・思考の衰えはある
変化を予期せよ・・・その衰えに備えよ
変化を感知せよ・・・興味魅かれるものをすると、心身の変化に気づく
変化に素早く対応せよ・・・古い習慣をやめて新しい事に取り組む
変わろう・・・新しいことに恐れずチャレンジしよう!
変化を楽しもう!・・・環境は常に変わることを受け入れ楽しんで冒険しよう
進んですばやく変わり再びそれを楽しもう・・・他者に指示されて動くより自主的に行動することは楽しい!
最後の言葉
この物語の最後は、こんな格言で締め括られている。
「チーズと一緒に前進しそれを楽しもう!」
そう
時代の変化と共に前進し変化を楽しもう!
ヘムも迷路の部屋から動き出した…続編もおススメ
迷路の外には何がある?