「人生100年時代」というのは90年後のお話

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現在、我が国の平均寿命が男性80.98歳、女性87.14歳(平成28年度の簡易生命表の概況「厚生労働省HP」より)とされていますが、現在よりさらに寿命が延びるというのでしょうか?

 

人生100年時代は本当か?

いつ頃から「人生100年時代」と言われるようになったのか。
日本で2016年に発行された『ライフシフト』という書から引用された言葉である。著者はロンドン・ビジネススクールの教授であるリンダ・グラットン氏とアンドリュー・スコット(同スクールの経済学部教授)である。

この本で書かれているのは、先進国で2007年以降に生まれた約半数が100歳を超えて生きる確率が高いと予測される(私たちの孫世代くらいでしょうか)。と記述されているのであり、私たちの世代は先ほどの平均寿命の推移をみても85~90歳と思われ、現在とほぼ変わらないか若しくは平均寿命が4.5年延びる程度だと予測される。

日本政府も「人生100年時代」というキーワードを上手く利用(?)して、「人生100年時代構想会議」なるものを2017年9月に発足させている。ちなみに『ライフシフト』の著者であるリンダ・グラットン教授も議員であるし、82歳のアプリ開発者の若宮正子さんも議員をされています。

若宮さんの過去記事・・・アイ・ガット・ウィング、自由になった私

「人生100年時代」という流行語に便乗して「働き方改革」に関連しようとする意図を感じさせる。年金受給も65歳から68歳に伸ばそうと検討しているのもその理由だろう。

「少子高齢化」「2025年問題」など人手不足と予測されるなかで、65歳以上でも政府としては「仕事をしてもらいたい」という思惑が感じとられる。多くの熟年者が仕事を続けられることで介護予防にもなり、介護給付・医療費が抑えられるということです。

ひと昔前の定年後の隠居生活とは、ほど遠い現実となりそうです。

 

将来に向けて、どう対処すればよいのか

世の中に氾濫している情報に踊らされて「働けるうちは頑張ろうか!」と思わずに、「自分はなにがしたいのか」「どのように余生を送りたいのか」を重点に考えて、リタイア後の計画、準備をしたほうが良いのでは、ないでしょうか。

子供の頃からやりたかったことや、長年会社勤めで出来なかったことなどを思い返してみる。

元WBAスパーフライ級世界チャンピオンの鬼塚勝也氏は、ボクサー引退後にロサンゼルスで保育士の助手としての経験もした。保育園の園児たちに絵を描いてみせ、その時彼は、幼い頃に絵を描くことが好きだったことを思い出したという。帰国後も絵画に没頭し、ひたすら絵を描く日々を送る。

現在はボクシングジムを経営している合間に画家としても活動されて、彼の絵は数百万円の価値があると評価されている。

 

一番信用できるのは自分自身

今の時代は、SNSなどで簡単に情報が拡散されてしまい、「〇〇が言っているので信用できる」「〇〇が言うなら当たっているだろう」と情報を信じてしまい、自分では調べることもしなくなる。それこそ私が恐れることである。

自分で調べる、検証することが大切なことで、他者が言うことをそのまま信じてしまうことは、自分自身を信頼できないということになる。それは愚かな行為で、信じられるのは自分であり、自分の目で見て、耳で聞いて「自己判断」をするのがこれからの時代には必要不可欠である。

他者にすべてを任せ、結果が上手くいかないと他者の責にすることになる。それもいかがなものかと思う。

 

最後に

『ライフシフト』~100年時代の人生戦略~書の内容を批判している訳ではありません。もちろん本の中に共感できるところもありました(ざっくり読みですが)。

たとえば、終章の「変革への課題」の一文で

長い人生を生きるうえでは、なにかに打ち込むことが重要だ。・・・中略・・・ものごとに習熟するうえでカギを握るのは、自己効力感(自分ならできるという認識)と、自己主体感(みずから取り組む、という認識)だ。まず、自己効力感を高めるためには、世界でなにが起きていて、変化に対処するためになにができるかについて、具体的に検討してほしい。

『ライフシフト』より引用

 

定年退職後も自分がやりたいことを再発見し、それを打ち込み(没頭し)、主体性をもって(他者に頼らず)やりたいことを継続できるようになりたいものです。

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

1963年生まれ 一級建築施工管理技士、介護福祉士・・・青年期は、電子工学を学びコンピュータの魅力にハマる。 成人期は、建築関連の仕事に就き、2004年に自身で設計・確認申請・施工しマイホームを建てる。中年期は、介護・福祉の現場を経て関連のセミナー講師、ブロガーとして活動。