子供たちも大きくなり、巣立つと広い空間に夫婦二人住まい。そう遠い話ではない。持ち家を手放し、2LDK(50㎡程度)のマンションで夫婦二人で暮らせれば良いかな。掃除も楽だ、庭の手入れもしなくてもいい。そんな「お気楽な生活をしよう」将来のことを近頃良く話す。
数年前、このような暮らし方を提案してみたが、妻に却下されたことがあった。快適な寝具、たくさんの衣類・靴などを持ちたがり、ゴージャスなシステムキッチンに憧れる。アメリカン・サイズの家を理想としていた。私はどちらかというと、コンパクトハウスが好き、シャワーと寝る場所とミニキッチンがあればいい。と考えている人間である。
究極的に家は、無くてもいい。キャンピングカーで暮らしたい。そんな私に彼女が合わせてきたのか、催眠術でもかかっているのか。最近はノリノリでコンパクトハウスやキャンピングカーの話に乗ってくる(うっしっしー)。キャンピングカー生活を妄想してみようか。
キャンピングカーといえども無断で駐車するわけにいかない、まずは駐車場の確保から。10~20坪くらいの土地を購入。そこを拠点とし、あるときは街中で寝泊りしてみよう。お昼を済ませて、街へ繰り出す。車をコインパーキングに停め、二人で映画でも観る。居酒屋で美味しい料理とお酒を頂き、ホテルのスパで汗を流す。その後はもちろんキャンピングカーでお泊り。
たまには、郊外のキャンプ場でも行こう。自然の中も気持ちが良い。スーパーで食材を買い、出発。海岸沿いの道路を走り抜け、ちょっと季節外れだが、目指すはキャンプ場。キャンプ場に到着。
シーズン・オンの時はごった返すこの場所も今は閑散としている。もともとアウトドアが好きじゃない二人。火を使い料理するのが面倒くさいのだ。火を使わないでもよい料理、チーズ、生ハム、サラダなどをつまみにワインで乾杯。星空がとてもキレイだ。都会ではなかなか見れない。そんな優美な生活を夢みる。
このような夢物語を耳元で囁き催眠術をかけた。つい最近「キャンピングカー生活」の虜にしたのである。が、現実に戻されることも、「トイレはどこ?」「しっかり備えてあるよ」「これって水洗?」「汲み取り式?」
もう夢が台無し。細かいところは今は考えないでおこうよ。
声を大にして伝えたことは、「人間中心の生活」である。
結婚し家を構えて生活することは、悪いとは云わない。家を建てる場所も固定され、「無機質の家」が中心となる。まるで主人が家だ。人間が家に従い、住む場所も固定される。いかがなものか。家のために長期の返済ローンに追われ、やりたくない仕事を何十年も勤めなければならない。
逆の発想でも良いでは。りっぱな住宅を建て、それを賃貸にする。家賃収入の一部でローンを返済。(※融資が住宅ローンではなく事業ローンになり利息が割高)。無機質の家に働いてもらうのだ。有機質の人間はやりたいことに専念するばよい。いつしかそれが、世間に認められプロとなる。そんなノドマ…あれ?だっけ…ノマドか?遊牧民的な生活に憧れる人は、「リタイア人」の素質、多いにありだ。