ユングは人間の一生を4つに分けた
「誕生からの少年期」、「成人期」、「中年期」、「老年期」と4つに分けた。
長い人生を1日にたとえると、「誕生からの少年期」は日の出、「中年期」を午前、「中年期」は午後、「老年期」は夕暮れ・日没となる。
また、それぞれの期を移行する間に転換期(過渡期)があるとした。※下記の図参照
ユングが提唱した転換期(過渡期)を実証するためにレヴィンソンは、男性40名に対して調査を行う(評価するには少ない人数だが…)。
統計の結果は、転換期(過渡期)は4~5年存在したという。
転換期(過渡期)は危険の時期であり、生活構造を変えなくてはいけない時期である。
生活構造とは、人間は生きているうちに、どんなことに時間とエネルギーを配分するかどのような人と関係をもつか?等、生活の基本パターンを設計することをいう。
人間は生きているうちに、かつては適応的であった生活構造を変えないといけない時がくる。それは、内面的世界とする自分自身の興味・関心、価値観、身体的の変化と外的世界の自身以外のこと職場・地位、子供の成長・独立の変化が必然的に起こるからである。
③中年期から④老年期の間は人生末期の転換期と言われて、年齢的には60~65歳。ちょうど定年退職を迎える時期と一致する。
またレヴィンソンは・・・
定年退職という大きなライフイベントに対応して、「社会から報いられることに関心を示すよりも自分の内面的資質を活用することに関心を向けることができるか」また「自分の人生を完全無欠ではなかったとして唯一のものとして受け入れることができるか」が問題となる。
・・・と語る。
私なりに解釈すると・・・組織・団体等から定年で退職し、世間(社会)から労われる(報いられる)ことよりも自分の(内面的資質)人格、経験・スキルを今後活かすことができるか(関心を向ける)。
また、『自分の人生がまだ完成していなかった』が、『唯一無二のマイ・ライフであった』と、気づくことができるか(受け入れる)。それがリタイア後の生き方に大きく影響してくる。
60歳~65歳、人生末期の危機をどう乗り切るか。そして、65歳~人生の幕を引く時までの老年期、自分の内面的資質を活用していけているか。そのことを意識して人生末期の転換期を迎えようと思います。