ノマドランドには定年後、生きるヒントが溢れている

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3/26公開の映画「ノマドランド」を観てきました。題名を訳すると「遊牧民の土地」。私は今、家の和室にある座椅子に座り、窓から入ってくる涼しい風にあたりながら書いています。

(超テキトーなあらすじ)主人公ファーンは、夫に先立たれ住み慣れた町を出て行く場面から始まる。これから苦難な生活になるであろう遊牧民生活。しかし多くのバン生活者、仲間と出会う(以外と楽しそう)。人間関係は適度な距離感が保たれ、揉め事もほぼ無い(人は親しくなればなる程、互いの思いを言い合い喧嘩になったりするもの。他者との関係は近すぎず遠すぎずが良い)。

私は、主人公と年齢的に近く、定年退職を2年後に迎えるお年頃。いつ家から追い出されバン生活するやもしれない我が身。

今は屋根のある下でノホホンと生活しているが、将来はどうなっているか分からない。

人生に安定した状態は幻想であり、状況は常に変化しているもの。10年後、屋根のある家に住んでいるかは定かでは無い。もしかすると未来は、家を持たない生活が主流になっているかもしれません。そんな妄想をいだいてしまう映画でした。

中高年に待ち構えている定年。年金受給までの間の仕事場どうするか?年金を受け取っても少ない額で生活ができるのか?…不安の中、映画の主人公ファーンは重労働をしながら前に進むことを選択した。おそらく彼女は同じ場所に留まることを「停滞」、前に進むことを「進展」と捉えているのだろう。

映画のネタバレになると思うが、ノマド仲間のデイブ(互いに恋心あり)から「一緒に住まない?」と誘われ一晩だけ彼の息子夫婦の家に泊まる。彼女は居心地が良くない。結局、ノマドに戻ることに。私は共感できた。他人が築いた家に住むことはできない。何もしないで他人の家には住むことはできない。また高齢になると自分のことで精一杯。他者のこと(旦那や妻、子、孫)のことに構いたくない。たまに会う孫であれば可愛いと思うだろうが、子供夫婦との同居生活は後々苦しくなるだろう。だから孤独ではあるが過去の想い出と共にノマドすることを選択した。そこが彼女の居場所なのだ。

安定した生活を選択せず敢えて苦難な道のりを選択する。まるで修行僧の如し苦行を。ファーンはヴァンガード(先駆者)なのだろう。停滞を選ばず進展を求め遊牧の旅に進むヴァンガード。

この映画を見て賛否両論あるだろう。私は映画「ノマドランド)を讃えたい。よくぞ製作してくれましたと。これからの高齢者の生き方を考えさせる映画である。

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ABOUTこの記事をかいた人

1963年生まれ 一級建築施工管理技士、介護福祉士・・・青年期は、電子工学を学びコンピュータの魅力にハマる。 成人期は、建築関連の仕事に就き、2004年に自身で設計・確認申請・施工しマイホームを建てる。中年期は、介護・福祉の現場を経て関連のセミナー講師、ブロガーとして活動。