ユニバーサルドライバー研修とは、タクシー乗務員を対象にした研修制度です。
上記研修の講師として活動できるのが今回ご紹介するユニバーサルドライバー研修講師養成講座なのです。
これまでタクシー乗務員だった方や介護関連のお仕事をされていた方が行える講師としての研修です。
定年を迎える年齢で現場で働くことがキツイとお考えの方には、講師として活動されることがよろしいかと思いますので、ご紹介したいと思います。
UDタクシーとは
ユニバーサルデザインタクシーとは、健康な方はもちろんのこと、足腰の弱い高齢者、車いす使用者、ベビーカー利用の親子連れ、妊娠中の方など、誰もが利用しやすいみんなにやさしい新しいタクシー車両であり、街中で呼び止めても良し、事前に予約しても良しの誰もが普通に乗れる一般のタクシーです。※運賃料金は一般のタクシーと同じです。
UDタクシーだからできること
ユニバーサルデザインタクシーをどういった方が利用されるのかと想定してみますと…
- 大きな荷物を持った方・・・観光客などの旅行者
- たくさんの荷物を持った方・・・出張先でのビジネスマン
- セダンに乗りにくい服装の方・・・和服、ドレス、コスプレなど
- 入退院の際の移動に困った方
- 車いすの方
- 小さな子ども連れの方
- 妊娠中の方
UDタクシーの普及
福祉タクシー車両の整備目標については国土交通省による「移動等円滑化の促進に関する基本方針」において、2010年までに約18,000台としていましたが、同年度末の実績は12,256台にとどまっていました。
2011年3月に基本方針が改正され、東京オリンピックが開催される2020年までに福祉タクシー(UDタクシー含む)約28,000台とする整備目標が設定されました。
また、2011年度より「標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定制度」が導入され、同認定レベル1に適合したUDタクシー車両が一般に販売されるなど、更なるUDタクシーの普及が望まれています。
認定レベル1
車イス使用車のためのスロープが備えられ、また、高齢者等の乗降を円滑にするため地上高を低くするなどの配慮がされている等、様々な人にとって利用しやすい構造を有するUDタクシー
国土交通省HPより
ユニバーサルドライバー研修
ユニバーサルドライバー研修は、タクシー事業者団体が業界を挙げて「高齢者や障がい者など、すべてのお客さまへの接遇(おもてなし)や介助を向上する」ために実施しているものです。全タクシー乗務員の受講を推進しています。
ユーチューブに研修案内の動画がありましたので、参考にされてください。
UD研修講師になるには
UD研修で講師を務めるためには、次ページに掲げる講師資格要件に該当しているか、もしくは「ユニバーサルドライバー研修講師養成講座」を修了することが必要となっております。
「ユニバーサルドライバー研修講師養成講座(以下「講師養成講座」)」は、実際の研修シーンを想定して、講師としての基礎的な知識や心構えなど実践的な指導法を学びます。
指導講師は、福祉・介護関係者による「研修の進め方」から、関係省庁による「タクシー業界の展望と課題」、障害者(当事者)による「タクシー乗務員への期待」と題した講義もあります。また「人気講師への近道」と題した話し方の教室などもあり内容の濃い講義となっております。
この講座の特徴としては「受講生によるデモンストレーション」でUD研修の講師として活動する事項を習得していく内容となっております。
受講資格
ユニバーサルドライバー研修テキストの(序章、第1章、第2章)の講師資格「(以下A資格)」と、同テキストの(第3章、第4章)の講師資格「(以下B資格)」では講師の資格要件が違います。
A資格及びB資格とも、下記の講師資格要件(Ⅰ群)に掲げた資格等を有している方は、ユニバーサルタクシー講師養成講座を受講されなくても、UD研修の講師資格として活動できます。しかし、ユニバーサルタクシー講師養成講座を受講することもできます。※講師として指導方法を学ぶためにも受講をお奨めします。
講師資格要件 A資格(Ⅰ群)に掲げた資格をお持ちで無い方は、ユニバーサルタクシー講師養成講座を受講することにより、講師資格者となります。
講師資格を取得されようとする方は、下記に掲げる講師資格要件を考慮して受講してください。
A資格、B資格いずれの場合も、ユニバーサルタクシー講師養成講座の全カリキュラムを受講することは必須条件なようです。※一部だけの受講は認めていません。
受講資格ではありませんが、講師養成講座の受講前にUD研修(養成講座ではなくタクシー乗務員を対象にした研修)を受講されることを協会はお奨めしています。
講師資格要件
A資格…ユニバーサルドライバー研修テキスト(序章、第1章、第2章)の講師資格要件
Ⅰ. 次の方はUD研修の講師資格があります。
- 一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会 ケア輸送委員会の委員
- 一般財団法人 全国福祉輸送サービス協会の役員等
- 訪問介護事業所等の指定を受けたタクシー事業者(責任者)
- 各県協会専務理事又は同等の職にある者
- タクシーセンター等乗務員研修期間において乗務員研修の講師経験がある者
- 以上と同等と認められるもの
Ⅱ.「Ⅰ.❻」の「同等と認められる者」は、タクシー事業関係者であって、本講師養成講座の修了者となります。
B資格…ユニバーサルドライバー研修テキスト(第3章、第4章、参考-Ⅰ、Ⅱ)の講師資格要件
Ⅰ.「UD研修」の講師は下記の資格があります。
- 看護師
- 社会福祉士(テキスト第3章に限る)
- 介護福祉士
- 理学療法士(テキスト第3章に限る)
- 作業療法士(テキスト第3章に限る)
研修の開催日程等については、実施団体である一般財団法人 全国福祉輸送サービス協会にお問い合わせください。
まとめ
ひと昔前にくらべタクシー乗務員のサービス精神も格段と向上していると感じるが、更なる向上を求められています。高齢者だけでなく移動困難者、移動弱者にもやさしさを求められていて、また外国人観光客もここ数年多くなっています。
タクシー乗務員だけでなく、私たち利用者もマナーを守り、運転手もお客もお互い気持ち良くタクシーを乗りたいものです。今後のユニバーサルタクシー・在来のタクシーにも期待できそうです。